夏空あつし さんからの祝辞
リサイタルを祝して夏空あつし
月日の経つのは早いもので、初めての出会いからもう30年になるんですね。
僕が交通事故に遭いあの病院に入院しなかったら、今日はなかったのですね。
「チンカラ姉ちゃん」と言ったら膨れっ面をしていたあの頃が、頭の中に蘇って来ました。出会って2、3日頃、片輪で傷ついていた君の姿に何か不思議なものを感じたのです。「違う、この子は本来明るい子なのに、無理に捻くれているな」易学から見ると、芯は強い子だと鑑定できたので、思ったままに辛辣な言葉を投げ掛けてみました。案の定、少しずつ心を開いてきたのです。手品を見せたら、眼を輝かせて「これでボランティアをやりたい」と言い、熱心に覚えていきましたね。
『新聞と水』や『新聞の復活』が巧く演じられるようになった頃でした。東京都田無市の敬老会で、出演者は前田勝之助、桜井長一郎、東けんじ、宮城けんじといった当時そうそうたるメンバー、そして僕、観客は1,200人。そこで何の気なしに「出てみるか」と言ったら、「うん」と答えて早速準備を始めたのにはこちらがびっくり。でも、あれが初美の初舞台なんだよね。
それから23年。僕にとっては弟子と言えるただ一人。厳しいことも言ってきた、冷たいこともやってきた、それでも食らいついてきた初美。今日は思いっきり演じて下さい。師匠と言えるかどうかは分からないけれど、今日をステップにもっともっと大きくなって下さい。
本当に今日はおめでとう。
平成15年6月8日
野原初美さんへ
多数のお祝い、電報、生花をいただきました。ありがとうございました。
2003年6月27日付の新聞「埼玉中央よみうり」に記事が掲載されました。
御 礼
本日はお忙しいところ、野原初美のプレゼントマジックショー『はつみの小箱』にご来場賜りまして、誠にありがとうございました。
このショーを開催させていただくことは、私が手品を始めた頃からの夢でした。私が障害を持ってこの世に生まれ、たくさんの方々に出会い、助けられ、支えられ、今私は生きているのです。いつか必ず「今私は手品でボランティア活動をしながら、こんなに元気になりました」と、一人ひとりの方々に感謝を申し上げたかったのです。また、私がボランティア活動をしたいと思うきっかけとなった、老人ホームの皆さんをご招待したかったのです。
一人でも多くの皆さんに手品を見ていただき、生きる喜びと勇気をほんの少しでも分かちあえることが出来たなら、私にとって最高の幸せです。これからも、もっともっと技を磨いていくつもりですので、温かく見守りいただきご声援をよろしくお願いいたします。
最後になりますが、夏空あつし先生には30年の長きにわたって私をお導きいただきました。人としての生き方をお教え下さり、また弟子として時には厳しく手品をご指導いただいたお蔭で、今日この晴れの舞台を踏むことが出来ました。ここに深く感謝申し上げる次第です。また、今日のショーの企画・構成を引き受けて下さった猪熊知彦さん(上尾マジッククラブ副会長)には心より御礼申し上げます。そして大原希是会長をはじめとする上尾マジッククラブの皆さんのご協力に厚く御礼申し上げ、お礼の言葉とさせていただきます。平成15年6月8日
野原 初美
『はつみの小箱』を最後までご覧いただきありがとうございました。